目次
この記事では、以下の内容についてご紹介します:
はじめに
初めまして!東京ガスiネット プロジェクトマネジメント部 アジャイル推進ユニットに所属している船迫と申します。
アジャイル推進ユニットでは社外で開催されるカンファレンスに積極的に参加しています。 この記事では2024年11月1~2日に開催されたスクラムフェスニセコ2024(以下、スクフェスニセコ)に参加してきた内容を紹介します! 公式サイト
スクフェスニセコは初参加だったのですが、2日間通して楽しみつつ参加者と交流して多くの刺激を得られました。 この記事ではそんなスクラムフェスニセコの内容を少しでもお伝えできればと思います。
スクラムフェスニセコとは
日本各地でスクラム実施者の集いと交流の場としてスクラムフェスというものが開催されています。そんなスクラムフェスの中でも、特に立地的な意味で参加のハードルが高いスクフェスニセコは、講演2本とOST(Open Space Technology) 1 のみという少ないプログラムで構成されたイベントです。
北海道内外のソフトウェア開発に携わる人々と未来を語り合う場であり、今回のイベントでは北海道のメンバーを中心にしつつ日本全国から40~50人くらい参加していました。 丸1日間以上OSTを行うイベント形式に興味が湧き、初めてスクフェスニセコに参加してみました!
イベントの内容
ここからはスクフェスニセコでどんなことがあったのかを記載していきます。
(1日目)Opening Talk
2日間の楽しみ方について話がありました。 - 今日ここで初めてであった人との新しい出会いも大切にしましょう - 日常から離れ、普段話す機会の無いような人たちと対話できることを楽しみましょう
→オープニングから堅苦しい雰囲気はなく、やわらかい空気の中、イベントが開始されました
Keynote 永瀬美穂さん
株式会社アトラクタに所属するアジャイルコーチの永瀬美穂さんからKeynoteがありました。 色々と学びはありましたが、印象に残った箇所の感想を記載します。
コミットメントに関する話
- コミットメントの意味を深堀すると、コミットメントは内発的動機が重要であり他人に対してコミットメントさせるのは不可能であるようです。 そして確約できるのは何かというと、確約できるのは自分の行動だけということです。
- コミットメントは、
- 結果そのものを約束することは難しく、チームや個人が「結果に向かってどのように取り組むか」という姿勢と行動を約束すること
- 他人に「コミットしろ」は言えない、自分が言えるのは「コミットする」だけ
まとめ部分
QA:各自がコミットした結果、衝突したらどう解消すればいいのか?
A.コミットした結果、ぶつかってもいい。ぶつかっても仕事を進められることが大切。合議したりお気持ちを話し合い続けるくらいの時間があるならやるべき仕事を探したほうがよい(合意しないことに合意する)
→仕事を進めることを優先する姿勢は大切だと思いましたし、ぶつかっても仕事が進むという考え方は新鮮で刺激になりました。
OST1ターム目 スクラムの仲間を見つけたい
社内でスクラムを行っている人とつながりたいと思い、自分でテーマを出しました。 参加した方から社内のつながりや運営の工夫など、悩み解決につながるアイデアをたくさん頂けました!
- 勉強会の開催でもいいし、ゆるい何かでもいい。使いまわせるものを用意して準備の負担を減らすことが大切
- 相手を知っているなら「困っている」メソッドで相手を頼る
- 終わった後にコミュニティへの案内など、連絡窓口を設けておく
- 誰もいなくてもできるようなことを行う(動画視聴会の開催)
- 参加者同士でのディスカッションを設ける
- 仲間の数を多くする、ただしそれをKPIや目標にしないこと
- 貸し借りの状態を作る、相手に借りがある状態だと相手からも話しかけやすい

OST2ターム目 スクラムマスターの仕事って?
keynoteのテーマから派生したコミットメントに関する話題に参加しました。 この議論で出てきた、「チームが絡まっている状態」というメタファーは分かりやすく、全員が共感していました。
- スクラムマスターはメタな仕事である
- メタな仕事だからこそ、スクラムマスターの定義が難しい。チームにメタ認知をさせるための仕事
- 「チームがいま絡まっている状態だよね」をチームに気づかせるのがスクラムマスターの仕事かもしれない
- 絡まっている状態を解くのはチームであり、スクラムマスターは気づかせること。やらせることではない

懇親会
OSTが終わって1時間後くらいに、隣の会場で夕食 + 懇親会が開催されました。 懇親会ではあきえむさんと隣になり、せっかくの機会なので、私が感じているスクラムマスターのモヤモヤについて色々とお話させていただきました。 OST以外の場でもがっつり話すことができたのはスクフェスニセコというイベントならではの良さだと思います。 懇親会の後もホテルの部屋に有志が集まり、スクラムに関する話題は続きました。RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo 2 )のボランティアを行っているナカノさん、翌日のキーノートの神崎さん、別のOSTでお会いしていたEMIさんなど様々な方と会話し、多くの刺激をもらいました。
(2日目)Keynote 神崎さん
2日目のKeynoteはRDRAと呼ばれる要件を組み立てるための仕組みについてお話いただきました。

引用元:RDRAで学ぶ要件定義
登壇者の神崎さんはRDRAの開発者で、今回はRDRAとLLMを絡めた要件定義について語られていました。LLMを用いる際には壁打ちがてら早くアウトプットを出力し、LLMで完璧ものを出すことにこだわらないことが大切とのことでした。
コーチーズクリニック
スクラムフェスニセコではアジャイルの有識者の方と1対1で相談できるコーチーズクリニックがOSTと並行で開催されていました。
私はせっかくの機会なので、Keynoteを講演されていた永瀬美穂さんに申し込みました。 明確な目的が無く雑談として申し込んだものの、悩み事やスクラムの社内での繋がりについて相談する中で気になる事やモヤモヤに気が付いて話が広がりました。 コーチーズクリニックが終わった後に、自身のモチベーションが上がっていることを感じ、申し込んでよかったと感じています。
OST1ターム目(雑談)
とあるテーブルに行ったらテーマトークが終了し雑談をしていたので、そのまま混じってお話ししました。
- OSTの動き方について、全員が全ての時間で頑張っているかというとそうではなく、休憩したり一人で過ごしている人もいて、参加の温度感は人それぞれなこと
- OST初心者の方から「OSTに行く人はみんなコミュ力が高くて自分には無理」と言われがちだけど、実際に参加している人からすると「コミュ力高いわけではなく、できる範囲でやっているだけ。時には聞き専になることもある」という結論になりました
OST2ターム目 若者に伝わるチーム例
心理的安全性の高いチームとしてスラムダンクを出すけど、今の若者に通じない!というお悩みからのテーマに参加しました。 チーム例を教えてほしいというスタートでしたが、この議論をチームで実施してみよう!という発展した結論に着地したのはOSTならではの面白さだなと感じました。
- 心理的安全性が高いチームの例について意見出しをしたところ、以下のような意見がありました
- スポーツものが良く上がるのは、同じ目標に向かいやすい=心理的安全性が高くなりやすい、ということかもしれない
- 心理的安全性が高くないチームは?で考えてみると、アンチパターンが見えてきそう
- このテーマの議論自体をチームで行ってみるといいのでは?「みんなで目指したいチームはどんなチーム?」とか話し合うことが心理的安全性に繋がりそう

スクフェスニセコに参加した感想
参加してみて、想像以上に私の悩みが解決でき、モチベーションが大きく上がったイベントでした。 過去に別のOSTのイベントに参加したこともあるのですが、スクフェスニセコほど本音で話せていませんでした。スクフェスニセコでは本音で相談できた理由を考えてみると、OSTだけでなく夕食→懇親会→朝食で食事しながらの交流があるため、参加者同士の距離感が近くなることが影響していると思いました。 私も食事中に「そういえばこんな事に悩んでいたな」と思い出して、そこから解決につなげられることができました。
今回参加してみて、社内で以下のようなことに挑戦したいと思っています。 - 視聴会(勉強会):DXラウンジや社内スペシャリスト相談窓口での呼びかけてみる - アジャイルに関する情報発信をアジャイル開発ポータルで行ってみる - 社内のスクラムを実践しているメンバーと繋がりを作りに行く
スクフェスニセコは想像以上に楽しく、参加してよかったと思えるイベントでした! 来年度にも参加したいと思っています!
最後に
初めてのニセコの地、そしてスクラムフェスニセコでしたが、移動距離以上に得られるものが多いイベントでした! 2025年度も開催予定なので、今度は他の東京ガスiネットメンバーも誘って参加したいと思います!